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タミフル

タミフルを服用した時の副作用、特に異常行動についての報道が多い。異常行動と思われる転落による事故が続いていることから、原因の関連性と予測や予防の有無について議論されている。

このブログで報告したように、先週は我が家も4人が感染、発症する状況だった。自分、長男と長女の3人がこのタミフルにお世話になった。以前に感染した時は、1週間ほど高熱が継続し、非常に苦しく辛かった記憶があるが、特効薬と言われているほどの実力は確かで、2日間過ぎた頃には熱も下がり治った。処方される時に、担当医師よりテレビや新聞でも話題になっているように、タミフル服用の副作用で幻覚を見たりや夢遊病のような行動を取る事があるので、特に子供には注意が必要である事を告げられる。

結果として、そのような症状は現れず、タミフルの効果を得られて治っている。しかし、副作用は他にも重大な内容があり、その事について医師から告げられていないことも事実である。

重大とされている副作用は、8項目があるらしい。異常行動や幻覚症状はその中の1項目にしか過ぎず、他の項目には重度のものもあるように見える。さらに頻度は不明であり、異常行動についてはインフルエンザ脳炎の可能性もあると言う。

科学技術 Wiki - タミフルの重大な副作用
http://hiki.cre.jp/SciTech/?TamifluSeriousAdverseEvents

副作用があり頻度が不明な薬を、認可することや危険に対する注意を告知するといった国や製薬会社の責任や対応に対して、批判や意見が多い。十分か不十分かの2極で考えれば、不十分だとは思う。ただ、患者という当事者が向き合っているのは医師である。いわば医師の考え方で、伝えられることと伝えられない事が変わり、そして伝え方が異なってくることがある。患者にとってのベストの行動であれば良いが、そんな簡単な事ではないと思う。

以前に膝のケガから半月板の手術を行った経験がある。手術は古傷もある両膝を内視鏡による検査を行い、状況により半月板の除去を行うと言う内容である。この時の説明に、副作用というデメリット面も忠実に告知された。それは感染症などの様々な項目の中、最悪の場合の膝関節より下の麻痺という内容もあった。全てを聞いた自分とカミさんは、手術の実行に対してメリットとデメリットを天秤にかけ考えた。何度も担当医師に説明を求め、デメリットの発生は数値化はできないが極めて稀な場合であり、当時の状況からは治療の必要性が高く、納得した上で手術を承諾した。

副作用と言うデメリットを全て告知されたとき、知れば知るほど実行に勇気が必要となってくる。しかも、インフルエンザのように高熱が発症し、いつもより判断力が鈍っている中では、判断がより難しいことになる。こうなると医師の判断は難しい。すべて伝えるとした場合、伝える事で不安を増幅させる事もあり、不安を与えない事も医師の大事な処方だとすれば、すべて伝えられない。この判断は、普段からの接触があって会話があって、お互いを知り理解する事が重要な気がする。つまりコミュニケーションである。かかりつけの医師がいるかいないかというのは、こういう事にも影響があるということに気づいた。

そもそも、医師への信頼が高すぎていた事もあるが、処方された薬を服用する事の責任に対して意識が少なかったと、自分を含めそう思う。ほぼ日「遥か彼方で働くひとよ」の中で、日本人は比較的、薬の作用、副作用、さらには名前にも感心が少ないと言っている。難しい話を聞いても分からないと一蹴する患者もいると言う。伝えたくても伝わらなかったのである。最近は院外薬局から薬が処方されると、薬の情報が非常に詳しく記されている。この機会に、服用する薬をよく理解し、医師や薬剤師とコミュニケーションを取ろうと思う。

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